ART DIRECTOR’S CHAT

MEMBERS

KATO MASAKAZU

加藤 公和/1980年生まれ、鹿児島県出身。学生時代にデザインを学び、卒業後、地元のグラビア印刷会社のデザイン室に就職。デザイナー人生をスタートさせる。転職を機に上京。F&S CREATIONSで経験を積みREDに加入。グラフィックデザインに軸足を置いた、アートディレクション及び・デザイン制作を得意とする。

KURAMOCHI KAZUISHI

蔵持 一石/経済学部卒の異色のデザイナー。商業的な面と、アート的な要素を併せ持つ広告デザインの魅力に惹かれデザイナーの道へ。見た目だけにとらわれない、問題を解決するグラフィックデザインを得意とし、紙や、Webデザインなど、多岐にわたる媒体の制作実務とアートディレクションを行う。

AMEZAWA MASAAKI

雨澤 正明/茨城県出身。とあるTシャツのグラフィックデザインに惹かれ、漠然とデザイナーを志し上京。日本デザイナー学院卒業後、デザイン事務所をいくつか経験し、2022年REDに加入。グラフィックデザイン、イラスト、WEBデザインを中心に様々な媒体のアートディレクション、制作実務を行う。

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INTRODUCTION

チームであることが、僕らを刺激し、動かし、いいデザインへと向かわせる ―
創業3年目、始まりの地である恵比寿から富ヶ谷へとオフィスを移転し、デザインの幅、携わる仕事の幅をさらに拡げるべく踏み出したRED。今回REDでは、会社を支える3人のデザイナー、加藤、蔵持、雨澤に加え、新たな風となるデザイナーを募集する。

文:さとうみちる

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CHAP. 1

プロジェクトは違っても、
となりの存在に
助けられている。

現在、REDのデザイナーチームで活躍する3人は、この業界に腰を据えて10年以上になる。知識も経験も十分に培ってきた彼らなので、ひとつの案件に一人ずつアサインされるのが基本のスタイル。各々がREDのアートディレクターとして、責任を持ちながら仕事を進めている。おなじ空間にいながら個々の仕事に向き合うという環境で、彼ら3人が「おなじデザイナーチーム」であることの良さとはなにか。それは、お互いから感じる熱量にあると蔵持は話す。

蔵持 ――
オフィスに来て、それぞれ別の仕事に対して悩み、苦しんでいる。でもそれは、僕らがコミュニケーションを取っていないという意味じゃないんです。『いいものをつくりたい』っていう熱量はみんな持っていて、それをとなりで仕事しながら感じているというか。

雨澤 ――
わかりやすい切磋琢磨ではないかもしれないけれど、となりの存在に影響や刺激をもらい、助けられてますよね。それぞれ別の案件を進めていると聞くと、黙々とひとりで作業してるような印象を受けるかもしれないけど、雑談も結構ある。誰かが話しだしたら30分くらい止まらないときもあります。

加藤 ――
同じ社内の人間だけどライバルというか。お互いのことはめちゃくちゃ意識してるし、こういう空気感は同じ会社の仲間ならではなんじゃないかな。

またREDでは、お互いの仕事を知る場として、週一回の案件共有や、月一回の勉強会が設けられているという。会のなかでは「このアイデアいいっすね」「どういうロジックでつくったんですか」といった会話が飛び交い、お互いの技を学び、認め合い、労をねぎらう時間となっている。「自分のとなりで、仲間はいいデザインを考えている」というチームメンバーへのリスペクト、そして「自分も負けていられない」というライバル意識。これらによって生まれるポジティブな緊張感が、彼らの言う「熱量」なのかもしれない。

CHAP. 2

クライアントも、
制作パートナーも、
熱量の中に巻き込みたい。

「いいものをつくりたい」という思いは、きっと多くのデザイナーに共通する信念であり、またそれが、仕事のモチベーションや、仕事に感じる「楽しさ」に繋がることもあるだろう。一方で、この思いを核としたとき、自身のモチベーションや楽しさをより加速させるものが、人それぞれあるはずだ。自分のなかの熱量を上げるエンジンとなるもの。それはプロジェクトのどんなフェーズに、どんなシーンにあるのだろうか。雨澤は、その答えのひとつとして「プロジェクトチームの関係性」を挙げた。

雨澤 ――
どんな案件も自分一人では完結しないじゃないですか。だから、協力してつくっていく仲間との関わりが色濃いほど、自分のモチベーションも上がっていきますね。

蔵持 ――
たしかにあーちゃん(雨澤)はクライアントとか制作パートナーとの打ち合わせも楽しそうにしてるよね。プロジェクトの途中でなにかトラブルが起きたときも、解決に奔走している様子は大変そうだけど、燃えてるな〜って、見てて感じます。

雨澤 ――
そう見えてたんですね(笑)付き合いの長い制作パートナーさんは、こちらの少し無茶なお願いにも『無理です』って即答するんじゃなくて、一旦受け止めてくれるんです。申し訳なく思いつつも、そういう一生懸命なやりとりが生まれると、自分の中の温度が上がるのを感じます。

一方加藤は、クライアントの反応が自分にとってのエンジンになっているという。

加藤 ――
クライアント側が忙しさからプロジェクトのアウトラインを固めきれていなかったり、じっくり話をする時間がなかったりすることもままありますが、それでも自分がいいアウトプットを提案して、相手の気持ちがぐっと上がったときこそ仕事冥利に尽きますよね。『やってやるぞ』的な気持ちは常に持っているかも。

デザインは一人で手を動かす時間が圧倒的に多く、孤独な戦いであることは間違いない。ただ、信頼のおける制作パートナーや、自分を信じて期待を寄せてくれるクライアントの存在、いいものをつくるという精神の大きな支えになることも間違いではないだろう。プロジェクトメンバーとの関わりを大事に、みんなのテンションをあげていきたいと話す彼らに、REDらしさが垣間見えた。

CHAP. 3

REDデザイナーチームに、
たくさんの共通点は
必要ない。

おなじチームのデザイナーとして、短くない時間を共にしてきた3人。仕事の向き合い方に共通点はあるものの、彼らは所謂「似た者同士」では決してない。異なる性格、異なるセンス、違いはさまざまあるなかで、なにが3人を結束させているのだろうか。そして、そこに加わる新たな一人に求められるのは、どんな素質なのだろうか。「僕たちのことを面白がってくれる人」「いいデザインをつくりたい人」彼らの答えはシンプルなものだった。

蔵持 ――
この3人が完全に一緒のノリかと言うと、そうではないじゃん。

雨澤 ――
3人に違うクセがあって、それをお互いに『面白いな』と思ってる。違うことを面白がれるところは、僕ら3人の共通点かも。

加藤 ――
蔵持さんと雨澤さんは、仕事仲間というより人として『どんな人なんだろう?』と気になる部分がある。そういう人と人との付き合いも楽しんでもらえる人だとうれしいよね。

「いいデザインをつくりたい人」についても、彼らは口を揃えてこう話す。

蔵持 ――
REDには、デザインの型、REDらしさみたいなものはないと思っていて。だからこそ僕らも自分のアウトプットを突き詰めていこうとしているんですよね。こういう感じでいいかな、で終わらない。

加藤 ――
そこのマインドが共通していて、自分の表現や自分で答えをだすことに力を尽くせる人、そこに熱意があって、それを好きでやれる人。それだけでいいんじゃないかなと思います。

雨澤 ――
REDにハマるデザインは求めていません。実際僕らも、お互いのデザインがいつもハマっているわけじゃないですから。コーポレートサイトの実績からREDに興味を持ってもらえるのはもちろんすごく嬉しいです。でもいっしょに働くときには『自分には自分のデザインがある』という思いを持って、アイデアを出し合い、発想を学び合って、REDのデザイン力を高めていきたいですね。

「どんなデザインをする人か」よりも「どのようにデザインと向き合っているか」。そのひとつの共通点が、デザイナーチームの結束を強固にしているのかもしれない。そうしてREDの目指す仕事に向けて足並みを揃えたら、目的地まではときに肩を組み、ときに対抗心を燃やしながら、楽しく歩いていく。こうしたスタンスのチームに新しく加わるデザイナーは、どんな化学反応を起こすだろうか。REDデザイナーチームの続報に期待したい。